ハドソン川の奇跡 |
アメリカンスナイパー以来のクリントイーストウッド監督映画、
ハドソン川の奇跡。
実話を基に描かれているという事と、
大好きなトムハンクス主演という事で
観賞してまいりました。
トムハンクスの演技はとても安定感があり、
その役になりきるオーラに包まれており
安心して観ていられるのですが
今回の役も非常に素晴らしかったです。
この話は絶望的な状況を
冷静かつ大胆な判断で切り抜けたという
まさに奇跡の物語なのですが、
その機長にはなんと事故調査員から
「容疑者」という汚名が着せられてしまうのです。
データ上では、空港に着陸することもできたのに、
意図的に着水し、搭乗者らの危険を招いたと。
155名もの命を救った機長に対し
本当にひどすぎると最初は思ったのですが
事件の当事者ではないNTSB側にとっては
客観的な尺度の数字だけが頼りになってしまうという
悲しい現実なのです。
どんな場合でもそうだと思うのですが
実際の経験者と客観的に傍観している人では事態の
「重み」の受け止め方が全く異なって当たり前で
国家予算を沢山使ってしまっている現実がある為に
何事も検証しなければいけない現実と
実際にたった数分で起こってしまったトラブルについて
対処をしなければいけない責任の重さと
チームワークの重要性を強く感じた作品でした。
いずれにせよ、判断に間違いがなく結果、
155名もの尊い命を救った
サレン・バーガー機長と
副機長スカイルズの冷静かつ速やかな判断力、行動力、
そしてプロとして最後まで乗客の命を守るために
必死に仕事をこなすCAさんたちの姿が印象的でした。
この事故が起こったのは一月の極寒。
調査員が彼らを褒めたたえる中
「もし同じような事件が起きたらどうしますか?」
という質問に
副機長が
「次は7月に起こすよ」
と返したところが何ともウィットにきいていて
心の余裕を感じたラストでした。